
することができます。フィリピン政府は、このような視点をとり、21世紀において、女性が非常に重要な役割を果たすということを認識しております。 女性の平等がつ均等な社会参加ということがなければ、フィリピン政府のみならず他のいかなる政府にとりましても、人口問題を解決することはできませんし、社会開発と環境と調和的な持続可能な開発を実施していくことはできません。 女性問題について北京においてさらに具体的な検討がされ、女性に対する基本的な政策が決まりました。そして、次のようなものについて私どもはコミットしました。まず、女性の経済的な機会を広げていかなければならない、家族を強化することによって女性を支援していかなければならない、すべての人に対する教育を推進しなくてはならない。それから、乳児死亡率、妊産婦死亡率の低減を果たし女児と女性の健康状態を改善しなくてはならない。女性の人権を保護し、それによって社会、家族の中における意思決定過程への参加を推進していく。それからもう1つ重要なことは、持続可能性を前提としたプログラムにしなくてはならないということであります。 ここに、第4回世界女性会議における私どもフィリピンの政府代表団の方々、その中には本会議での議長を務められた方もいらっしゃいますが、その政府代表団が第4回世界女性会議に参加した後、私は「名誉フィリピン女性」という称号をいただきました。このような方針をとるのに異論のあるわけがありません。 持続可能性という言葉は、現在、開発を論じるうえでよく耳にする言葉です。ところが、世界の人口は現在56億人、これが今世紀末には60億人になるだろうと推定されております。この人口増加の中で、現実問題としてどのように持続可能性ということを実現すれば良いのでしょうか。毎年フィリピンでは、150万人ずつ人口が増えています。この中で、人々の基本的ニーズを満たしながら、どのように持続可能な戦略を作っていけば良いのでしょうか。 人口問題は単に人口学的な数の問題である以上に、一人一人の個人の問題です。そして女性の問題であり、子供の問題なのであります。人々の潜在能力を十分に生かすことなくこの問題を解決することはできません。開発の問題も同様です。開発の現実ということを考えてみますと、この持続可能性ということをそれぞれの要素に分け、それぞれの分野で我々が何ができるかということを検討する必要があります。人に対して投資をし、人々の能力をできるだけ高めていくということが安定的な経済成長を維持し、持続可能な開発を達成するうえで非常に重要になります。これはまた、人口の増大と持続可能な開発との均衡をとるうえからも非常に重要になります。そして、女性の参加がなければ、持続可能な開発を実現する人間資源の開発もありえません。私どもはこの原則を認識しております。そして私自身、大統領としてこのことを国民の皆さんに働きかけております。 それから、子供を何人、どれくらいの間隔で生むかという権利を認めなければなり
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